必然

取り上げておかないといけないような気がして。
三菱UFJ銀:システム障害 原因は単純ミス(1)カタカナと漢字、違い見落とし(毎日 jp)

「他行のATM(現金自動受払機)経由の取引は盲点だった。想像力が及ばず、リハーサル項目からも抜け落ちていた」

盲点という発言で、そのレベルが知れてしまうのですが、残念ながらそれが事実。
自行のシステムとはいえブラックボックスを扱っているのだから。
本当に「誰の」システムか分からない。
銀行の?統合前の各行の?ベンダーの?下請けの?

障害の原因は、通帳未記帳の件数が10件以上ある顧客に、記帳を促すメッセージを送る際の文字コードが、セブン銀は「カタカナ」なのに、三菱東京UFJ銀の新システムは「漢字」だったという「初歩的なプログラムミス」(業界関係者)。

おそらく、その仕様を誰も知らないのだ。

セブン銀のATMもリハーサル対象ではあったが、障害を起こした取引はテストしなかった。

あるいは気がつかないか。
その道、数十年のベテランですら把握しきることは不可能。

急速に普及するコンビニATMの取引をすべてリハーサル対象に含めなかった三菱東京UFJの対応は「お粗末」とのそしりを免れそうにない。東京・丸の内のATM障害の現場に駆けつけたセブン銀の安斎隆社長は「準備不足」と批判した。

さらに、銀行にはその「急速さ」に対応する能力は無い。
準備の何が不足しているのかも、終わってみなければ分からない。
三菱UFJ銀:システム障害 原因は単純ミス(2)移行、高まる不安--旧UFJ店(毎日 jp)

7月から12月まで5回に分けて段階的に実施する旧UFJ店からの移行について業界では「想定外の障害が多発するのではないか」と不安視する声も出始めた。

という怪しい臭いだけは、みんな嗅ぎ取っているのだけど。

02年4月に旧富士、旧第一勧業、旧日本興業の3行が合併し、発足したみずほ銀では、初日に10万5000件の口座振替の処理が遅れるなど大規模なシステム障害が発生。障害は1カ月以上続き、処理遅れ250万件など顧客に多額の損失が発生した。

間違いなく能力の限界を超えた事をやろうとしているから歪みも必然。
三菱UFJ銀:システム障害 原因は単純ミス(3止)ゆうちょ銀など6金融機関影響、公表11時間後(毎日 jp)

同行は「事態の全容把握に手間取った」(広報)と釈明したが、金融庁には午後の早い段階で報告していた。障害発生の発表が早い時間から行われていれば、顧客が入金でむだ足を踏まずに済んだ可能性もあり、同行の姿勢は「顧客軽視」との批判を呼びかねない。

これはシステムとあまり関係ないけど。
何らかの温床ではあるかも。

金融庁が今年1月、同行のシステム統合の準備状況を重点的に調べる「ターゲット検査」を実施していたことについては「サポートをしてきたが、統合初日にトラブルが起きたことは残念」と述べた。

お上のサポートなど焼け石に水。
ある時は火に油か。


そもそも―。
全ての開発者がどれだけ心血を注いだとしても、不可能なことをやろうとしているのではないでしょうか。
そう思えてなりません。
金融系の基幹システムは「遺跡」のようなもので、「設計図」もなく、手を加えるには開発者が「発掘」しないといけないのです。
統合となると、異なる文化の「遺跡」をひとつにしなければなりません。
それがどれだけ困難なことか。
しかも、その「発掘」や「復元」には現代の(最新)技術を利用することができないのです。
おそらくこれからも「遺跡」が壊れないように「保存」していくのが精一杯のような気がします。
代替不可能なインフラとして機能している以上、リスクをとって新たに「創造」することもできず。
それが理由で身を引いた私が言うのもなんですが、「発掘」している当事者は大変なのですよ。
単純ミスで批判したり片付けたりすることは可能ですが、一連のシステム統合時の不具合についは、もっと別の視点から考えないといけない気がします。
それこそ「国家機構」の仕事、かも。

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    • B
    • 2008年 5月 14日

    予想通りというか・・・。
    地銀の基幹システム更新とか、デスマーチになった公共システム開発プロジェクトとかを経験してきた記憶から想像するに、巨大になりすぎたプロジェクトチームで誰が何の仕事をしているか誰も把握できていなかったんじゃないですかね(もっと言えば自分のチーム以外にどんな人が何人くらい従事しているかも分からなさそう)。
    PM を経験する前に辞めてしまいましたが、この手のプロジェクトをノートラブルで完了させることってどんな SIer をもってしてもそもそもできないんじゃないかとすら思います。みずほ然り、年金の名寄せ然り・・・。もうこういう金融のシステム統合の前に利用者は必要な取引を前倒しで済ませてしまうくらいの自己防衛が必要なんじゃないかと。というか、銀行側も本当に顧客本位で考えるならばあらかじめそういう注意喚起をしておくとか(却って不安を助長するとか、はなから失敗を前提とする姿勢ってどうよとは思うけど、リスクマネジメントとして)。

  1. > 銀行側も本当に顧客本位で考えるならばあらかじめそういう注意喚起をしておくとか
    あ、それ。
    金融商品のリスクを説明するように、自分とこのシステム(≒サービス)のリスクも説明しておいた方が良いのかもしれません。
    あと、障害を起こさない事より、障害が起きてもしっかり対応するための準備に、もっと注力する方が現実的な気もしますね。
    避難訓練のごとく障害訓練をやってもいいし、障害発生時のミッションプランを障害予報士に用意させてもいいし。
    しかし、良くも悪くもこの調子で金融システムが動き続けていく、というのは依然、変わらぬ見解。

    • きどっと
    • 2008年 5月 14日

    障害訓練はしているみたいです。
    でも、下々には関係ない話ですが・・・
    セブン銀行の件は、普通テストするでしょ・・・
    でも、端末がそばにある環境ではないから、見落としたのかなぁ。
    とてもよい教訓にはなりましたが・・・
    統合しすぎです!!
    (そのおかげで仕事はあるからいいけど・・・)

  2. B 「巨大になりすぎたプロジェクトチーム」
    であるために、下々だけでなく上にも横にも
    きどっと(と?) 「関係ない」
    ということが、数多く散在してしまうので、ほころびが出るのも然り。
    実際は関係なくはないのだろうけど、「(責任ある)自分の仕事」として意識できない環境だとは思ふ。

    • きどっち
    • 2008年 5月 15日

    ・・・きどっと
    「おちょこちょいちょい」なので・・・
    「関係ない」って訳ではないの・・・
    障害起きたら、原因追求できるまで拘束されるし。
    でも、障害訓練は、私たちの立ち入れない「会議室」で行われています。
    閉じられた訓練では意味ないよね・・・

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